Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ぼんのうひぶんしょ
煩悩秘文書
林 不忘
Lisez 煩悩秘文書 (ぼんのうひぶんしょ) de 林 不忘 (はやしふぼう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 86 705 caractères · 173 écrans
「おお、文珠屋。」
と佐吉に声を掛けたので、見向いた佐吉、
「や、お主は有森利七。」
「げっ! いんや、今じゃあ十手を預る宗七だ。」
「おう、恋慕流しの宗七。」
大次郎が、頭巾のなかからそう言った。二人からは彼は見えないが、大次からは佐吉も宗七も、そのまま眼に入るので。
じりじりしていた中之郷東馬が、二、三歩前へ踏み出すと同時に、北伝八郎が、突如、文珠屋佐吉に斬りつける。醜面の佐吉、その顔を歪めて、さっと横に払うと同秒、師範代の泉刑部は、大次郎とも知らず、その白覆面に向って青眼に構えて誰を誰とも知れない乱刃の光景。
止むを得ず大次郎も、腰の女髪兼安に、暮れ近い薄日を映えさせて、時ならぬ剣林、怒罵、踏み切る跫音、気合いの声、相打つ銀蛇、呼吸と、燃える眼と――。
あわてたのは承知の由公で、剣の下を木鼠のように走り廻り、
「親分、こうわけの解らねえ斬り合いも、めったにござんせんぜ。ここあ一つ早くどろんを決め込んだほうが、利巧のようで。さっきの甲賀流の霞飛びじゃあねえが、ふっと横へ消え込んで――。」
職掌柄、川俣伊予之進は、この容易ならぬ乱闘に眼をぱちくりさせているものの、どれがどれだか解らないから、手の付けようがなくて、まごまごしていると、かねがね煩悩小僧と動かぬ白眼をつけている文珠屋佐吉を、宗七、ここで一声かけるか