Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
もゆるほお
燃ゆる頬・聖家族
堀 辰雄
Lisez 燃ゆる頬・聖家族 (もゆるほお) de 堀 辰雄 (ほりたつお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 71 309 caractères · 144 écrans
店の空気がひどく疲れを帯びているのが感ぜられる
誰もいないのに人気が漂っている それが鬼気のようにぞっと感ぜられる
何かしら惨劇のあった跡の静けさはこんなものじゃないかしらと思えてくる
もしかしたら今まで此処で客同志の間に殺人事件かなんかあって
その跡始末のために皆ここの店のものまで残らず出かけて行っていて
それでこんな空虚なのかも知れん……
そう思って店のなかを見廻すと、一向それらしい形跡はない
椅子やテエブルもちゃんとした位置にある 鉢植も倒れていない
それでいてどう云うものかそれ等の置き方に妙な不自然さがあるのだ
あちこちへ投げ飛ばされたり、倒されたりしたのをいかにも急いで
元のままに直して取り繕ったような不自然さがあるのだ
――そんなことを空想しながら、私はぼんやり頬杖をついて
今にも燃えきって無くなりそうな灰皿の吸殻を見つめている
それから発せられている※(「均-土」、第3水準1-14-75)は私の空想を大いに刺戟している
「おれは遅参者だ……一足遅れたばかりに、きっとおれを喜ばせたに相違ない、何かの惨事に立会い損った不運者だ」
そこでもって私の夢のフィルムがぴんと切れてしまう……