Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

つばくろ(つばくろ)

燕(つばくろ)

山本 周五郎

Lisez 燕(つばくろ) (つばくろ(つばくろ)) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 25 395 caractères · 52 écrans

Aozora Bunko

又左衛門は酒壺を取って、四つのギヤマンの杯へ、黒みを帯びた赤い酒を、さも大事そうに注いだ。――四人の顔には満足さと、たのしい期待の色があらわれ、梶本は両手をこすり合せた。そして、かれらは静かに杯を手に取ったが、老女のいよがブランケットを持って来たので、庄野がそれを肩へ巻きつけるまで待っていた。

「御用はございませんか」老女は去ろうとして訊いた。

又左衛門は「うん」と頷いた。

「では」と老女が云った、「霧がはいりますから玄関を閉めますが、よろしゅうございますか」

「玄関」と又左衛門が云った、「燕がまだ帰らないようではないか」

「燕はもうおりません」といよが答えた、「たぶんもう南へ帰ったのでございましょう、おとついから一羽もいなくなってしまいました」

又左衛門は頷き、老女のいよは去った。

「燕がどうしたんだ」と梶本が訊いた。

「玄関の中に巣をかけていたのさ」と又左衛門が答えた、「もう七年か八年になるだろう、毎年やって来て巣をかけるんだが、――いってしまったとは知らなかった」

まるで彼の言葉に答えるかのように、湖畔のほうから、いさましく歓声が聞えて来た。