Classiques japonais avec furigana
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ばくだんたいへいき
爆弾太平記
夢野 久作
Lisez 爆弾太平記 (ばくだんたいへいき) de 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 49 653 caractères · 98 écrans
夕方になると市が立って、朝鮮人がゾロゾロ出て来る処だからね。
ところで又、その医者というのが吾輩の親友で、鶴髪、童顔、白髯という立派な風采の先生だったが、トテモ仕様のない泥酔漢の貧乏老爺なんだ。そいつが吾輩と同様独身者の晩酌で、羽化登仙しかけているところへ、友吉の屍体を担ぎ込んで、何でもいいから黙って死亡診断書を書いてくれと云うと、鶴髪童顔先生フラフラの大ニコニコで念入りに診察していたが、そのうちに大声で笑い出したものだ。
「……アッハッハッハッ。折角持って来なすったが、これは死亡診断を書く訳にいかんわい。まだ脈が在るようじゃ。アッハッハッハッハッ……」
という御託宣だ。……馬鹿馬鹿しい。何を吐かす……とは思ったが、忰が飛び上って喜ぶし、呑兵衛ドクトルも、
「……拙者が請合って預かろう。行くか行かんか注射をしてみたい……」
と云うから、どうでもなれと思って勝手にさしておいたら……ドウダイ。二日目の朝になったら眼を開いて口を利くようになった。
傷口も処々乾いて来た。熱も最早引き加減……という報告じゃないか。呑兵衛先生、案外の名医だったんだね。おまけに忰の友太郎が又、古今無双の親孝行者で、二晩の間ツラリともしない介抱ぶりには、流石のワシも泣かされた……という老医師の涙語りだ。