Classiques japonais avec furigana
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ばくやくのはなかご
爆薬の花籠
海野 十三
Lisez 爆薬の花籠 (ばくやくのはなかご) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 101 908 caractères · 204 écrans
各新聞紙は、争うようにして、花の慰問団の写真をのせた。
そのときカメラの焦点は、つねに一人の明朗な、はつらつたる美少女に合わされていた。その少女こそ、ほかならぬ房枝であったのである。
花の慰問隊の少女たちは、はじめのうちは、数十名にすぎなかった。そして一日に、三、四箇所の工場をまわるにすぎなかったが、新聞や、ラジオでこのことが伝わると、日毎に参加の隊員がふえてきて、一週間たつかたたないうちに、隊員の少女たちは、三百余名という多数となった。
房枝は、いつとなしに、花の慰問隊長にあげられていた。
ニーナは、房枝の後援者であった。いや、もっとはっきりいうと、はじめから、この花の慰問隊をつくるのに力を入れていたのであった。しかしニーナのことは、どの新聞にも出なかった。それは全くふしぎなくらいであった。
だが、その理由は、ニーナと房枝との間に、かたい約束があったからである。即ち、慰問隊の結成は、すべて房枝がいい出したことにしておくことと、それからもう一つ、花の慰問隊のことを聞いて、ある富豪が、名前をかくしてかなりたくさんな金を、慰問隊のために寄附したこと、この二つのことを、ニーナは房枝にまもるように約束したのであった。