Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

とくしゅぶらくのはんざい

特殊部落の犯罪

豊島 与志雄

Lisez 特殊部落の犯罪 (とくしゅぶらくのはんざい) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 7 455 caractères · 15 écrans

Aozora Bunko

ええ旦那さんだなあ。お前、有難えと思わなきゃ済んめえよ。」

だが、久七はその言葉を聞き流しながら、のそりのそり匐い出して、上り口の徳利に取りつくと、喇叭飲みにごくりと一口喉へ流し込んだ。冷たい濃い重みのあるやつが、喉から胃袋から内臓へと、きゅーと泌み渡った。立て続けにも一口飲んで、徳利を膝の上に両手で握りしめたまま、口の中に残った香ばしい後味を、ぴちゃりぴちゃりと舌鼓うった。

「あれ、もう飲んでるのけえ!」

振り向いて頓狂な声でつるが云うのを構わずに、更に一口ごくりとやると、つんと鼻にくる香りから舌重いこくの加減まで、かねて知ってる味だった。鰻や時には鼈や、或は禁を犯して杜鵑など、肺病に利くという魚鳥を捕って持ってゆくと、いつも充分の金をくれた上に、樽からじかにコップへ注いで、野田の旦那が飲ましてくれる酒だった。土間の戸棚の上に置いてある、自分一人のだときまってる、ぶ厚な大きいコップを、久七は眼の前に思い浮べた。

「うむ……旦那が俺がことを聞いたか。」

つるが何とも答えないのを、彼は一人で云い続けた。

「一人者で困るべえって、それでこの酒をくれたか……。