Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
Lisez 犀星王朝小品集 (おぎふくうた) de 室生 犀星 (むろうさいせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 105 794 caractères · 211 écrans
しかも、落葉のずれはあたらしい些かの乱れを見せていたが、紛う方もない女の足あとだった。経之は池をまわり、広庭につづく、ひとつは塗籠へ、ひとつは定明の館に通ずる径を行った。落葉のみだれは館のあたりまでつづいていたが、塗籠の方に歩いたようすは見られなかった。
経之は北の館の前に立ってみたが、そんなことで、女の忍びが分るものではない。経之が去ろうとした時、突然、やかたから定明が立って出て、経之のすがたを見とめた。定明の眼は皮肉な険しい一瞥のかがやきを見せ、言葉はほとばしるように衝いて出た。
「これはお珍らしい、兄上のお越しとは全く思いがけない。」
「そちをたずねた訳ではないのだ、春も近いから庭方を入れずばなるまいと思ったからだ。」
「ほう、兄上ご自身のご検分か。」
定明の言葉はすぐ食い付いて来た。
「下見して悪いか。」
「何と致しまして、ご苦労にぞんずると申すのでござる。」
ぞんざいな言葉づかいまで挑んで放れないものを見せ、経之は異腹の兄弟とはこうもあろうかと、顔かたちの違い、性情の違い、肉体の違いを何故か急に頭にうかべた。仕えの女腹から出た定明は、父の歿後、母の許すところとなり引き取られて育ったが、異常な野性と、放埒の気性は経之とはまるで違った性格をひらいて見せた。