Classiques japonais avec furigana
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いぬとふるこうもり
犬と古洋傘
小川 未明
Lisez 犬と古洋傘 (いぬとふるこうもり) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.
N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 2 104 caractères · 5 écrans
見ると、それは、赤ん坊でなく、やぶの中に、まだ生まれてから間がない、やっと目の開いたばかりの小犬が三びき、箱の中に入れて捨ててありました。
彼は、赤ん坊でなく、小犬でよかったと思いましたが、その捨てられた小犬の、いじらしいようすを見ると、また別の不憫さが心の中にわいてきて、
「こんな、まだ独り歩きのできぬ小犬をだれが捨てたのだろう、情け知らずの人間だ。」と、思いましたが、自分は、どうすることもできません。
「ああ、かわいそうなものを見たな。」と、ただ、気持ちを暗くして、かわいそうとは思いながらも、そのまま、男はいってしまいました。
「こんな寒空に、それに食べ物もないのでは、きっと死んでしまうだろう。」と、三びきの小犬のことを思いながら、道を急いだのです。
しかし、いくら思うまいとしても、白と黒の三びきの小犬が、重なり合って、彼の顔を見たとき、尾をぴちぴちと振って、助けてくれといわぬばかりに鳴いたいじらしい姿を、男は、いつまでも目から取ることができませんでした。
彼は、町へ着くと、いつものごとく仕事にとりかかりました。仕事をしている間は、犬のことを忘れていましたが、その日の仕事が終わって帰り道にさしかかると、朝見た犬のことが、思い出されて、