Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こぶ

犬田卯短編集 一

犬田 卯

Lisez 犬田卯短編集 一 (こぶ) de 犬田 卯 (いぬたしげる) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 48 259 caractères · 96 écrans

Aozora Bunko

「綾子と貴様は、なんだ?」

「なんでもないさ!」

圭太は一言答えた。

「いいか、貴様、話しなんかしたら、みろ、貴様本当に橋の上から川の中へ突っ込んでやるからな!」

「貴様ばかりでなく、誰だってそうだど」とさぶちゃんはつづけた。「俺、先生だって綾子と変な真似したら用捨はしねえ。ナイフで突っこ抜いてやるんだ!」

それは綾子やその他の大きな女生徒に、笑いながら話をする若い先生に対する戦争の宣言でもあった。

実際、若い先生達は、綾子の――ことは彼女の発達した肉体に異様な眼をそそぐのだ。

彼らはそういう風にとっていた。

さぶちゃんは、往きにもかえりにも、この頃では綾子を待ち伏せ、そして何かを話しかけたり、威しつけたりした。

彼女は圭太のように意気地なしではなかった。さぶちゃんなんか恐れていないようだった。兄があるからかも知れない!

「不良! 碌でなし!」

彼女はいつも一喝するのである。

圭太は胸がすくようだった。

圭太はさぶちゃんが怖いばかりに、つとめて綾子から遠ざかろうとしていた。

が、綾子は反対に、何かと言っては圭太にやさしい眼を向け、話しかけてさえくるのだ。