Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

くるいだこ

狂い凧

梅崎 春生

Lisez 狂い凧 (くるいだこ) de 梅崎 春生 (うめざきはるお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 111 430 caractères · 226 écrans

Aozora Bunko

(しかしあの時――)

と栄介はちらと考えた。

(おれたちは竜介の死顔を見せてもらえなかった。幼ないおれたちにショックを与えたくなかったのか、それとも――)

自殺であったなら、その事実を誰が城介に教えたのか。しかも縊死の状況まで詳しく。そしてなぜ城介はそのことを、栄介に教えて呉れなかったのか。栄介は瞬間的に昏迷を感じながら言った。

「そりゃきっと城介のつくり話だよ。あいつは時々人をかついで、喜んでいたからね」

「そうかね」

加納はさりげなく答えた。揚がったハゼを皿に移しながら、話題を変えた。

「でも、城介君は怒っていたね。教育終了と共に帰す約束なのに、蒙古くんだりまで追いやるとは、ひでえぺてんだってね。彼も白紙答案の組なんですよ。白紙で合格とは、わたしも無茶だと思う。城介君は喘息のせいもあって、早く帰還したがっていたよ」

「厚和の生活は、つらかったのかね?」

「いや。楽だった。もう初年兵じゃなくて下士官だからね。大同から汽車に乗って、万里の長城を出る。長城を出たからって、そう風物が一変するわけじゃない。遊牧民族のパオなんかがあって、それが珍しかったくらいなもんです」