Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

くるいだこ

狂い凧

梅崎 春生

Lisez 狂い凧 (くるいだこ) de 梅崎 春生 (うめざきはるお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 111 430 caractères · 226 écrans

Aozora Bunko

「やはり坐りづめは、まだムリだな」

その時加納が店の方から、黒い陶器の瓶をぶら下げて、部屋に入って来た。卓の前にあぐらをかいた。

「これがパイチュウです」

湯呑みに注ぎ分けた。

「先だってあるお客さんと、その人は戦時中満洲に行っててね、これの話が出たら、その次の時土産に持って来て呉れたんだ」

私は一口含んだ。ちょっとした癖があるが、味は悪くなかった。私は訊ねた。

「これ、何からつくるんです?」

「高粱だね」

加納は舌を鳴らした。

「これはどうも内地製らしい。向うのはもっときつかったような気がする。もっともわたしの手が上ったせいかも知れないがね」

「密輸というと、瓶ごと買って――」

「いや。一升瓶やビール瓶を持って、はかりで買って来るんですよ。さあ。一升でいくらぐらいだったかなあ。なにしろ二十年も前のことだから」

内儀さんがかんたんな肴を運んで来た。栄介もごそごそ這って、卓に近寄って来た。外はまだ明るかったが、部屋は北向きなので、軒端には少しずつ夕昏がたまり始めていた。

オルドス作戦から厚和に戻り、またばらばらに各守備隊に配属される。加納と城介はそこで別れる。

加納は山西省霊丘県に行かされた。