Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

くるいだこ

狂い凧

梅崎 春生

Lisez 狂い凧 (くるいだこ) de 梅崎 春生 (うめざきはるお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 111 430 caractères · 226 écrans

Aozora Bunko

城介が被害者とすれば、直接的な加害者は当り屋の婆さんということになる。ところが婆さんを取っちめても、どうにもなることじゃない」

栄介はくたびれたように、眼を閉じた。私はしばらく別のことを考えていた。

「東京に奉公に出るんなら、葬儀屋がええ。戦争はこれからもっと拡がるから儲けにはこの商売が一番だ」

そう言い出したのは、伯父の幸太郎である。幸太郎は咽喉もとにはみ出たコブをつまむようにしながら、しきりに言った。というよりも、むきになって主張した。

「東京のわしの知合いに、たいへん繁昌している葬儀屋がある。そこに行かせろ」

なぜ幸太郎はそんなことに、むきになって固執したのだろう。戦争が進行すると、戦死者が出て、それだけ葬儀社の収入は殖える。それはそうかも知れないが、それだけの理由で、そう主張したわけではあるまい。彼はその時怒っていたのではないかと、栄介は今ときどき考える。身内から不名誉な退学者が出たこと、それを弟の福次郎が自分に相談せず、勝手に処理してしまったこと。

(他の有力者たちの伜たちは、たすかったじゃないか。だからおれにさえ相談して呉れれば城介も――)