Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きょうば

狂馬

佐左木 俊郎

Lisez 狂馬 (きょうば) de 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 2 577 caractères · 6 écrans

Aozora Bunko

若い坑夫は半纒を脱いで青の頭から引っ被せた。

*

地上には初夏の陽光がぎらぎらと降り注いでいた。眼を射るような光線だった。

炭坑事務所から二十間ばかり離れて、三四本の大きな榎が立っていた。その下に、三匹の馬が繋がれていた。その三匹の馬は、坑夫達に引かれて坑内から出て来た青の姿を見ると、首をあげて(ほほほ!)と嘶いた。

青はすると、坑夫の手に引かれていたにもかかわらず、立ち停まった。

「青! なんだって停まるんだい? 青! 青!」

併し青は歩かなかった。最早、青は今までの青では無くなっていた。首を上げ、耳を欹てて、その耳に全身の感覚を集めようとしていた。

そのとき、榎の下から、また、馬が嘶いた。その次の瞬間、青は、坑夫の手から手綱を奪って駈け出した。頭から掩いをされたまま一散に駈け出した。

「馬鹿野郎! 誰だあ? 青を引っ張り出して来たのあ? 気違いになるのきまっているじゃないか?」

誰かが事務所の方から怒鳴った。青はその辺を滅茶苦茶に駈け廻って、榎の下に嘶いている馬達を、探そうとしているのだった。

(附記)長い間を坑内に封じていた馬を、地上の明るい世界に引き出せば、すぐ死んでしまうか、気違いになってしまうそうである。