Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ねこぐるま
猫車
宮本 百合子
Lisez 猫車 (ねこぐるま) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 17 310 caractères · 35 écrans
「あすは、買い切りじゃがで……」
「一日二日はくり合わせますけ」
「さア――無理じゃと思うなあ……」
押し問答の後、男はそこに置いていた自転車のライトをとりあげて出て行った。正一が、
「なんぼこまいかて、家一軒で四杯ちゅうことがあるけ」
と電燈の下へ戻って来た。
「なんで?」
「柳下の郵便局のおっさんが死によって、保坂へその家を引くんじゃそうな……二十四円で請合えと云いよるんじゃ」
「そりゃいけん」
おさやが、坐り直すようにして首をふった。
「無理であります。柳下の家は見ちょりますが、こまうはありません」
黙っていた直二が、その時突然大きい声でそう云った。
「おお、そうそう」
思い出しておさやが、
「さっき組合から、米を出すちゅうて来よった。一俵三銭じゃ行くますまいと云うといたが――」
と云った。
「ガソリンがこう上っちゃ、運賃も上げにゃならんが、鉄道運賃が居据りじゃけに、きついなあ」
おさやは、辛辣なところのある口調で、
「上田じゃ儲りよって儲りよって困るじゃろ」
と笑った。上田は「日石」のこの地方唯一の特約店で、海軍工廠へも上田の店からでなければ重油が入らないのであった。