Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
さるとびさすけ
猿飛佐助
織田 作之助
Lisez 猿飛佐助 (さるとびさすけ) de 織田 作之助 (おださくのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 30 413 caractères · 60 écrans
いや、こりゃ法螺じゃない。正直なところを、恥をしのんで言ってるんだ。頼む。貴公出てくれ」
「いやだ」
と、佐助は吐きだすように言った。
「――考えてもみろ。歌を作るのはやすいが、そのおかげで、見も知らぬ女を押しつけられるのは、真っ平だ。俺の幼馴染みに、楓という美女がおったが、同じ楓でもピンから数えて、キリまであろうよ」
そう断ったが、三好は言いだしたらあとへ引かぬ男で、しまいには、
「出てくれねば、今日限り口をきかぬ!」
と、言うので、さすがの佐助もいいなりになるより外に仕方がなかった。
夜になると、佐助はアバタ面に裃つけて、歌の会に臨んだ。ところが、たまたま自分の前へ、しずかに腰を下した侍女の顔を見て、佐助はさっと顔色を変えた。悪口祭の夜、別れて以来の楓だった。
「あッ、この楓だったのか」
いつ召し抱えられたのであろうと、しかし考えるいとまなく、いきなり佐助は極意の忍術を使って、さっと天井の中へ姿を消してしまった。
しかし、楓はいち早く気づいて、
「あッ、佐助様!」
と、思わず起ち上ろうとした途端、はや佐助の気取った声が、天井から聴えて来た。
「楓どの。立つな、叫ぶな、探すな、坐れ。