Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さるとびさすけ

猿飛佐助

織田 作之助

Lisez 猿飛佐助 (さるとびさすけ) de 織田 作之助 (おださくのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 30 413 caractères · 60 écrans

Aozora Bunko

ところが、ひとり、庄屋の娘で、楓というのが、歌のたしなみがあって、返歌をしたのが切っ掛けで、やがてねんごろめいて、今宵の氏神詣りにも、佐助は楓を連れ出していたのだ。

それだけに、悪口祭の「佐助どんのアバタ面」云々の一言は一層こたえて、佐助の臓腑をえぐり、思わず逃げたのだが、

「あ、佐助様、どこへ行かれます」

と楓が追いつくと、さすがに風流男の気取りを、佐助はいち早く取り戻して、怪しげな七五調まじりに、

「楓どの、佐助は信州にかくれもなきたわけ者。天下無類の愚か者。それがしは、今日今宵この刻まで、人並、いやせめては月並みの、面相をもった顔で、白昼の往来を、大手振って歩いて来たが、想えば、げすの口の端にも掛るアバタ面! 楓どの。今のあの言葉をお聴きやったか」

「いいえ、聴きませぬ。そのような、げす共の言葉なぞ……」

「聴かざったとあれば、教えて進ぜよう。鷲塚の佐助どんみたいな、アバタ面の子を生むがええわい、と、こう言ったのじゃ。あはは……。想えばげすの口の端に、掛って知った醜さは、南蛮渡来の豚ですら、見れば反吐をば吐き散らし、千曲川岸の河太郎も、頭の皿に手を置いて、これはこれはと呆れもし、鳥居峠の天狗さえ、鼻うごめいて笑うという、この面妖な旗印、六尺豊かの高さに掲げ、臆面もなく白昼を振りかざして痴けの沙汰。