Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
さるとびさすけ
猿飛佐助
織田 作之助
Lisez 猿飛佐助 (さるとびさすけ) de 織田 作之助 (おださくのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 30 413 caractères · 60 écrans
殊に蝮蛇の頭肉は猛毒を含みて、熊掌駝蹄にも優る天下の珍味」
と、はやだらしなく涎を垂れたのを見て、佐助は、この醜怪なる老人が蛇の頭を噛る光景は、冬の宿の轆轤首が油づけの百足をくらうくらいの趣きがあろうと、
「いざまずこれへ」
と、早速老人を洞窟へ案内して、食べ残しの蝮蛇の頭五つに、毒除けの大蛇の血を塗って与えると、
「おお、これは珍味」
老人はペロペロとくいながら、放屁し、あまっさえ坐尿し、何とも行儀のわるい喜び方であった。
そして老人は、佐助の姓が鷲塚だと聴くと、
「日の下にあって、最も気を負える鷲を姓にいただくとは、近頃たのもし」
と、見え透いた世辞を使ったあと、佐助との間に、次のような問答を行った。
「汝、朝ニ猿ト遊ブト言フ。ソノ所以ハ」
「サレバ、友ヲ選ベバ悪人、交レバ阿諛追従ノ徒ニ若クハナシトハ、下界人間共ノ以テ金言ト成ス所ナリ。サルヲ、最悪ノ猿ト雖モ、最善ノ人間ヨリ悪ヲ行フ所尠ク、マタ猿ハ阿諛ヲ知ラヌナリ。猿ニ似テ非ナル猿面冠者ハオノガ立身出世ノタメニハ、主人ヨリ猿々ト呼ビ捨テラレルモ、ヘイヘイト追従笑ヒナド泛ベタルハ、即チ羞恥ヲ知ラザル者ト言フガ如シ。