Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
たまつきばのいちぐう
球突場の一隅
豊島 与志雄
Lisez 球突場の一隅 (たまつきばのいちぐう) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 14 111 caractères · 29 écrans
松井はただじっと村上の顔を見返しただけで、何とも云わなかった。
村上はそのまま視線をそらして室の中をぐるりと見廻したが、急に立ち上った。
「おたかさん一つやろうか。」
「ええお願いしましょう。先刻の仇討ちですよ。」
「なにいつも返り討ちにきまっているじゃないか。」
「へえ、今のうちにたんと大きい口をきいていらっしゃいよ。」
女は立って来て布で球を拭いた。そしてそれを並べながら松井の方に声をかけた。
「松井さん、あちらでこちらの方と如何です。」
「今日はもう疲れちゃった。」と松井は投げるように云った。
其処にお上さんが奥から茶を汲んで出て来た。もう可なりのお婆さんである。いつも髪を小さく束ねて眉を剃っている。妙に人の顔をじろじろ見る風があった。
「どうかなすったんですか。」と上さんはすぐに会話を奪ってしまった。
「え!」と松井は怪訝な顔をした。
「大層沈んでいらっしゃるじゃありませんか。」
「そうですかね。」
「おやおや。まあお熱いところでも召上れ。」
上さんはこう揶揄うように云いながら彼に茶をすすめた。そして向うに黙っているも一人の学生に声をかけた。
「林さん、こちらと一ついらっしゃい。