Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lisez 生々流転 (しょうじょうるてん) de 岡本 かの子 (おかもとかのこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 297 521 caractères · 586 écrans
心臓がむず痒くなるような白熱の明るさです。あゝ、また其処を見る眼が身に伝えて来て袂の端に重たく感じる。訣れて来た男の二本の腕の重み。それを振り切ったときの微かな眩暈い。いやになる、またしても。――そして扇形に空に拡がる火気の中にちろ/\と煌めくネオン。捲けども/\尾が頭に届かない蛔虫のような広告塔の灯。そうだ都はまだ宵なのだ。前景の闇に向っては深夜のつもりでいたわたくしの気持がまた、ぱっと華やいで来たとは何という頼もしくない自分の気持でしょう。
訣れに池上は昼、霞ヶ関の茶寮で会席料理を御馳走して呉れました。葛岡は晩、下谷の腰掛け店で厚揚げのカツレツを御馳走して呉れました。いずれも身分相応です。そして母は一昨日の朝、嫌な人生のお芝居を遺身に残して呉れました。実は母は一昨日死んだのですけれども、どうしても死んだとは思えません。この世界の何処かにいて、またぺろりと舌を出しているような気がしてなりません。「わが母」はそういう性分の女でした。
わたくしが物ごゝろついた六七歳時分の、家の事を考えてみますと、小ぢんまりしたしもた屋で細い川の河岸に在りました。家の中は綺麗に片付いて長火鉢なぞぴか/\拭き込んでありました。