Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lisez 生々流転 (しょうじょうるてん) de 岡本 かの子 (おかもとかのこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 297 521 caractères · 586 écrans
しかし何度か噂を撒かれながら、母に浮気の沙汰は一つもありませんでした。
「色恋だなんて、あんな面倒臭いもの、どうして世間であんなに騒ぐんだろう」
母は始終こう言っていました。
母は自分でも多少の小金は蓄えていたらしいですが、月々の経費は父が生前、下町の池上という商事会社の顧問をしていて、そこから来る手当が母のところへ届けられる、それで以て賄っているようでした。その商事会社は元来、地所持ちの旧舗が店の形を改めたもので、貿易は片手間に過ぎないけれども当主は道楽半分なか/\熱心でありました。そして父は外国取引の商法関係の相手にでも与っていたのでしょうか、月々の手当は状袋に入ったものを風呂敷包にし、浅黄の股引を穿いた古風な小僧さんが背負って届けに来たり、背広を着て夏は扇子をぱち/\させる若い店員が届けて来たりしました。とき/″\散歩の序だと言って池上の息子の清太郎が届けに来ました。義理堅い旧舗で、父が歿くなってからも、急に止めたらこちらも御不自由でしょう、まあ当分はという口上を添えて呉れるものはいつまでも続けられていました。ですから母はとき/″\父に強請っていた臨時の費用を詰めさえしたら、たいした不自由を感じない様子でした。