Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lisez 生々流転 (しょうじょうるてん) de 岡本 かの子 (おかもとかのこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 297 521 caractères · 586 écrans
わたくしも覗いてみます。わたくしはこの土地では毒にも薬にもならないたゞぼんやり乞食とされているので、お秀は蠅ほどにも思わず「おまえ字が読めるのかい」と言ったまゝ勝手なことをさせて置きます。乗客の男の方は永松という姓で、娘と思われるのは同さち子としてありました。職業は会社員としてあります。もし乗逃げなら本名を書く気遣いもないし、まあ念の為というくらいのところでお秀は見ただけでしょう。今朝もやはり心中客とはどうしても思わないようでした。お秀はもう一二時間待って何とも消息がなかったら警察へ届けようと心に決めたらしく帳面を閉じましたが、しかしそのあとの表情では船も惜しくはないし、客のこともどうなろうとたいして気がゝりにはならない様子でした。それよりも察するところこれから母親をかゝえて身の振り方に就て漠然とした不安がある様子です。
父親が生きていて、金廻りも豊だった時分、釣船屋風情の娘として高等女学校へ上ったのですが今日では却て結婚の邪魔になりました。町の中産階級の息子たちは中学を出ていて家の跡取りとなり嫁には高女卒業程度の娘を欲しがるのですが、客商売の釣船屋の娘を貰うことは躊躇しました。