Classiques japonais avec furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lisez 生々流転 (しょうじょうるてん) de 岡本 かの子 (おかもとかのこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 297 521 caractères · 586 écrans
何しろ、わたしがこの辺にいるのは学園よりも旧いんだからねえ」
老人はわけて安宅先生と葛岡には、猟銃や、草木の採集に関係して以前から親しく口を利く間柄だと言いました。
「珍らしい草や木があったら、葛岡さんに教えてやる。土地に鳥のついたところは安宅先生に教えてやる。別に礼を貰うわけじゃありませんがね、そういうものを見付けたら、誰かに教えてやりたくて堪らないのがあたしの性分なのですね。こうして乞食こそしているがね――」
わたくしは、この老人にだん/\安心して来ました。晩年に性も魂も抜け果てゝ、たゞ枯れるを待つ鉢植の植木のようになった父を、もし生かして大地へ下ろし、土の精気で健康を恢復さしたら、思いの外、こんな軽くて感じの良い老人になったのではないかとさえ考えながら、腹が餓えていたためでもあるでしょうが、わたくしはいつの間にか唐の芋を、ってぽちり/\食べていました。
「あら、おいしいわ」
すると老人は、「それ見なさい」と言ったが、どこかから新藁を運んで来て敷いて呉れました。
「学園はもう休みでしょう。まあ、休んでいきなさい。冬の川原の景色も見とくものですよ」
それから「銀杏も焼いてあげる。