Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
うまれいずるなやみ
生まれいずる悩み
有島 武郎
Lisez 生まれいずる悩み (うまれいずるなやみ) de 有島 武郎 (ありしまたけお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 50 587 caractères · 100 écrans
突然、ど、ど、ど‥‥という音が――運動が(そういう場合、音と運動との区別はない)天地に起こった。さあ始まったと私は二つに折った背中を思わず立て直した。同時に自然は上歯を下くちびるにあてがって思いきり長く息を吹いた。家がぐらぐらと揺れた。地面からおどり上がった雪が二三度はずみを取っておいて、どっと一気に天に向かって、謀反でもするように、降りかかって行くあの悲壮な光景が、まざまざと部屋の中にすくんでいる私の想像に浮かべられた。だめだ。待ったところがもう君は来やしない。停車場からの雪道はもうとうに埋まってしまったに違いないから。私は吹雪の底にひたりながら、物さびしくそう思って、また机の上に目を落とした。
筆はますます渋るばかりだった。軽い陣痛のようなものは時々起こりはしたが、大切な文字は生まれ出てくれなかった。こうして私にとって情けないもどかしい時間が三十分も過ぎたころだったろう。農場の男がまたのそりと部屋にはいって来て客来を知らせたのは。私の喜びを君は想像する事ができる。やはり来てくれたのだ。私はすぐに立って事務室のほうへかけつけた。事務室の障子をあけて、二畳敷きほどもある大囲炉裏の切られた台所に出て見ると、そこの土間に、一人の男がまだ靴も脱がずに突っ立っていた。