Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

せいしまんじどもえ

生死卍巴

国枝 史郎

Lisez 生死卍巴 (せいしまんじどもえ) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 91 598 caractères · 182 écrans

Aozora Bunko

「さようかな」

と、茅野雄であったが、軽蔑したように軽く受けた。

「郷民達が怒る前に、貴殿が怒るでございましょうよ」

「…………」

「と云うのは貴殿こそ浪江殿に対して、恋心を寄せておられるからで」

これには弦四郎も鼻白んだようであったが、負けてはいなかった。

「いかにも某浪江殿を、深く心に愛しております。覚明殿にも打ち明けてござる。と、覚明殿仰せられてござる。『白河戸郷を滅ぼしたならば、浪江を貴殿に差し上げましょう』とな」

「ほう」と、茅野雄はあざけるように云った。

「覚明殿が許されても、肝心の本人の浪江殿が、はたして貴殿へ行きますかな?」

するとその時まで沈黙して、次第に闘争的感情をつのらせ、云い合っている二人の武士の、その言い争いを心苦しそうに、眉をひそめて聞いていた浪江が、優しい性質を裏切ったような、強い意志的の口調で云った。

「妾は品物ではございません。妾は人間でございます。妾は妾の愛する人を、妾の心で選びますよ!」

で、茅野雄も弦四郎も白けて、しばらくの間は無言でいた。

ここは小川の岸であって、突羽根草の花や天女花の花や、夏水仙の花が咲いていた。小川には水草がゆるやかに流れ、上を蔽うている林の木には、枝や葉の隙から射し落ちて来る日の光に水面は斑をなして輝き、底に転がっている石の形や、水中を泳いで行き来している