Classiques japonais avec furigana
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せいしまんじどもえ
生死卍巴
国枝 史郎
Lisez 生死卍巴 (せいしまんじどもえ) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 91 598 caractères · 182 écrans
少し慇懃にこのように訊ねた。
「よろしかったらご姓名なども、承りたいものでござりますな」
すると老武士は顎を撫でるようにしたが、
「そう云われる貴殿の素性と姓名とが、愚老には聞きたく思われますよ」
「拙者は醍醐弦四郎と申して、浪人者でござります」
「愚老は雲州の隠居だよ」
「…………」
醍醐弦四郎は仰天して、改めてつくづくと老武士を見たが、
「それでは松平碩寿翁様で。……が、それにしてはこのような醜悪極まる勘解由店の、刑部屋敷などへおいでなさるとは、心得ぬ儀にござりますな」
――で、碩寿翁の返辞を待った。
それにしても勘解由店の刑部屋敷とは、どういう性質の屋敷なのであろうか?
勘解由と刑部?
「根津仏町に祈祷者住む、カアバ勘解由と云う。祈祷して曰く、『最も慈悲深き神よ、全智全能の神よ、死後まで祈祷すべし、尚神に願うべきことあり、正直に導けよ、邪道に導くなかれ』また曰く『告白せよ、神は唯一なり、信ぜよ、神は産れず、産ず、神と比較すべきもの何らあることなし』と。――吉利支丹には非ず。有司放任す。信者数多あり、いずれも謙遜」云々。
古い文献に記してある。
で、その信者達が住んでいたので、勘解由店と云ったのである。