Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

せいしまんじどもえ

生死卍巴

国枝 史郎

Lisez 生死卍巴 (せいしまんじどもえ) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 91 598 caractères · 182 écrans

Aozora Bunko

昼の日があたっているからであろう。道の小石や大石が、キラキラと所々白く光った。

しかし、弦四郎と思われるような、人の姿は見えなかった。

(不思議だな、どうしたのであろう?)

宮川茅野雄は首を捻ったが、ややあって苦い笑いをもらした。

(何も近くにいるのなら、矢文を射てよこすはずはない。遠くに隠れているのだろう。そこから矢文を射てよこしたのだ。そうしてそこから窺っているのだ)

それにしても戦国の時代ではなし、矢文を射ってよこすとは、すこし古風に過ぎるようだ。――こう思って茅野雄はおかしかった。

(弓矢で人を嚇すなんて、今時なら山賊のやることだがなあ)

考えていたところで仕方がない。用心しいしい進んで行くことにした。

で、茅野雄は歩き出した。

裾べり野袴に菅の笠、柄袋をかけた細身の大小、あられ小紋の手甲に脚絆、――旅装いは尋常であった。

峠の路は歩きにくい、野茨が野袴の裾を引いたり、崖から落ちて来る泉の水が、峠の道に溢れ出て、膝に浸くまでに溜っていたりした。

高山の城下へ着くまでには、まだまだ十里はあるだろう。それまでに人家がなかろうものなら、野宿をしなければならないだろう。