Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
でんえんのまぼろし
田園の幻
豊島 与志雄
Lisez 田園の幻 (でんえんのまぼろし) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 8 053 caractères · 17 écrans
「何でしょうね。」宗吉が黙ってるので、私はふと呟いた。
「狐火かな。」
宗吉はまだ瞳をこらしていた。それから、私の呟きに対してならおかしなほど間を置いて言った。
「今時、狐火がある筈はないし……だが、あすこは、いけないな。」
その独語を、思い直したように、彼は酒杯を取り上げた。
「あすこって、あの杉の沼ですか。」
「まああの辺だろう。」
私も酒をあおった。燗を熱くした。
私はその杉の沼を知っていた。昔そこに巨大な杉の木が一本あったので、そう呼ばれてるのであるが、今は、四本の小さな杉が、大きな岩の四方に植えられている。岩はただの自然石で、昔はその上に小さな祠があった由。堤防のこちら側の裾のところである。その裾下に、灌漑用の堀川が通じていて、杉の沼というのも地名だけで、沼はなく、ただその辺は川が非常に深く、藻や菱が生えて、水がどんより濁っている。往々にして溺死人があると言われている。堤防を越せば清流で、広い深い渦もあること故、杉の沼なんかで死ぬ奴はよほどの酔狂だと、私は笑ったのである。
然しその夜、私はへんに肌寒い予感がした。投網の夜打ちなんかに行ったせいだろうか。