Classiques japonais avec furigana
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いなかきょうし
田舎教師 他一編
田山 花袋
Lisez 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) de 田山 花袋 (たやまかたい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 156 097 caractères · 312 écrans
と「うき世の波」と「悪因縁」という三編がある。それがおもしろいから読めと和尚さんは言った。「むさし野」という本もそのうちにあった。かれは「むさし野」に読みふけった。
七月はしだいに終わりに近づいた。暑さは日に日に加わった。久しく会わなかった発戸の小学校の女教員に例の庚申塚の角でまた二三度邂逅した。白地の単衣に白のリボン、涼しそうな装をして、微笑を傾けて通って行った。その微笑の意味が清三にはどうしてもわからなかった。学校では暑中休暇を誰もみんな待ちわたっている。暑い夏を葡萄棚の下に寝て暮らそうという人もある。浦和にある講習会へ出かけて、検定の資格を得ようとしているものもある。旅に出ようとしているものもある。東京に用足しに行こうと企てているものもある、月の初めから正午ぎりになっていたが、前期の日課点を調べるので、教員どもは一時間二時間を教室に残った。それに用のないものも、午から帰ると途中が暑いので、日陰のできるころまで、オルガンを鳴らしたり、雑談にふけったり、宿直室へ行って昼寝をしたりした。清三は日課点の調べにあきて、風呂敷包みの中から「むさし野」を出して清新な趣味に渇した人のように熱心に読んだ。