Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

いなかもの

田舎者

豊島 与志雄

Lisez 田舎者 (いなかもの) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 181 caractères · 26 écrans

Aozora Bunko

「あら、そうお。」

彼女はただにこにこしてうなずいてみせるきりだった。依田氏のところみたいな反応は更になくて、ただ柔いやさしいものが彼を包んでいった。それは故郷といった感じに似ていた。彼女に対する気持は、小母さんというのとはまるでちがっていたが、話の調子は自然とそういう風になっていった。地肌の浅黒い洋装の娘が――サチ子が――帰ってくると、彼女は思い出したように立上って、甘いカクテルを拵えてくれた。それから、蓄音器のそばに連れていって、レコードを幾枚も取出し、好きなのをかけてあげようと云った。然しレコードのことなんか、岸本には更に分らなかった。三人連れの大学生がはいって来たので、岸本は勘定をして帰ろうとしたが、彼女はどうしても受取らないで、この次から頂くことにすると云うのだった。そうした彼女が、岸本には、まるで「東京」と縁遠いもののように思われた。

然しその彼女も、何度か彼が行くうちには、次第に移り動いて、スタンドの上から客と応酬し、時には自分もリクールに唇をうるおして談笑する、バー・アサヒのマダムとなっていった。それと共に、岸本も洋酒の味を知るようになった。