Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぎもんのきんかい

疑問の金塊

海野 十三

Lisez 疑問の金塊 (ぎもんのきんかい) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 15 600 caractères · 32 écrans

Aozora Bunko

と壮平爺さんは眼をショボショボさせて云った。「あんたに巡りあわなければ、今頃わしゃ首をくくっていたかも知れん。あのカンカン寅が、人殺しの嫌疑でお上に捕ったと聞いたときは、どうしてわしゃ、こうも運が悪いのかと、力もなにも一度に抜けてしまってのう」

カンカン寅というのは例の仙太の親分に当る男で、昨夜あの海岸通の古建物で、折井山城の二刑事に捕った怪漢のことだった。彼は始め階上に潜んでいたが、私たちをうまくやり過ごしたところで階段を下りて逃げだしたが、出口に頑張っていた山城刑事に退路を絶たれ、逡ろぐところを追いすがった折井刑事に組みつかれ、そこで大乱闘の結果、とうとう縛についたというわけだった。二人の刑事は、案の定大手柄を立てたことになった。その悦びのあまり、一旦不審を掛けた私だったが、何事もなく離してくれたのだった。

しかし捕えたカンカン寅というギャングの顔役は、当局の訊問に対して、思うような自白をしなかった。彼の手先である赤ブイの仙太殺しの一件を追求しても、首を横に振るばかりか、例の証拠をさしつけても一向恐れ入らなかった。かねがね手強い悪党だとは考えていたが、あまりにもひどく否定しつづけるので、係官もすこし疑問を持つようになったと、きょう折井刑事が不満そうに語ったことだった。