Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

くじょしょうろく

痀女抄録

矢田 津世子

Lisez 痀女抄録 (くじょしょうろく) de 矢田 津世子 (やだつせこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 32 578 caractères · 65 écrans

Aozora Bunko

龍子はこんなふうに切り出した。そして、真っ赤に面を火照らせて、お茶の支度にうろうろしている寿女のほうへ、笑窪の顔をみせて言った。

「ねえ、お寿女さん、あたくしたち姉妹なんですもの、これからは、せいせい、あたくし、お役に立ちますわ」

嫂は、兄と目顔で相談しあっていたが、一応、親戚共に計ってからということに話をはこんだ。

龍子は、お稽古のひとたちを待たせてあるからと早々に帰って行った。

嫂は稀らしく燥ゃいで、寿女の肩をはたいて、

「寿女さんは果報者ねえ。あんなえらい方に目をかけて頂けるなんて」

そして、真っ赤になってうろうろしている寿女の顔を、とんきょな眼つきで覗き込んだりした。

翌日、寿女は嫂に附き添われて、青山の奥住の家へ行くことになった。加福の師匠から貰った檜の小枠だけは、自分で抱えて行った。

わたくしの手元にある最近の婦人録に、声楽家奥住龍子女史の略伝がこんなふうにのっている。

ソプラノ、明治音楽学園講師、昭英音楽学校講師、若艸会主宰。日本音楽学院本科声楽部卒業。一九三二年独逸留学、三四年帰朝、目下ステージを去って教授に専心。「南独紀行」「私の観た独逸楽壇」