Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちじんのあい

痴人の愛

谷崎 潤一郎

Lisez 痴人の愛 (ちじんのあい) de 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 179 399 caractères · 353 écrans

Aozora Bunko

せて切ってあったのです。

ナオミは私と並んで立つと一寸ぐらい低かったことは、前に記した通りですが、夫人は西洋人としては小柄のように見えながら、それでも私よりは上背があり、踵の高い靴を穿いているせいか、一緒に踊るとちょうど私の頭とすれすれに、彼女の露わな胸がありました。夫人が始めて、

“Walk with me!”

と云いつつ、私の背中へ腕を廻してワン・ステップの歩み方を教えたとき、私はどんなにこの真っ黒な私の顔が彼女の肌に触れないように、遠慮したことでしょう。その滑かな清楚な皮膚は、私に取ってはただ遠くから眺めるだけで十分でした。握手してさえ済まないように思われたのに、その柔かな羅衣を隔てて彼女の胸に抱きかかえられてしまっては、私は全くしてはならないことをしたようで、自分の息が臭くはなかろうか、このにちゃにちゃした脂ッ手が不快を与えはしなかろうかと、そんな事ばかり気にかかって、たまたま彼女の髪の毛一と筋が落ちて来ても、ヒヤリとしないではいられませんでした。

それのみならず夫人の体には一種の甘い匂がありました。

「あの女アひでえ腋臭だ、とてもくせえや!」

と、例のマンドリン倶楽部の学生たちがそんな悪口を云っているのを、私は後で聞いたことがありますし、西洋人には腋臭が多いそうですから、夫人も多分そうだったに違いなく、それ