Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちじんのあい

痴人の愛

谷崎 潤一郎

Lisez 痴人の愛 (ちじんのあい) de 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 179 399 caractères · 353 écrans

Aozora Bunko

「や、これはいい、非常に気分がゆったりするね」

「いい家でしょう? 大森と孰方がよくって?」

「ずっとこの方が落ち着くね、これなら幾らでも居られそうだよ」

「それ御覧なさい、だからあたしが此処にしようって云ったんだわ」

そう云ってナオミは得意でした。

或る日―――此処へ来てから三日ぐらい立った時だったでしょうか、午から水を浴びに行って、一時間ばかり泳いだ後、二人が沙浜にころがっていると、

「ナオミさん!」

と、不意に私たちの顔の上で、そう呼んだ者がありました。

見ると、それは熊谷でした。たった今海から上ったらしく、濡れた海水着がべったりと胸に吸い着き、その毛むくじゃらな脛を伝わって、ぼたぼた潮水が滴れていました。

「おや、まアちゃん、いつ来たの?」

「今日来たんだよ、―――てっきりお前にちげえねえと思ったら、やっぱりそうだった」

そして熊谷は海に向って手を挙げながら、

「おーい」

と呼ぶと、沖の方でも、

「おーい」

と誰かが返辞をしました。

「誰? 彼処に泳いでいるのは?」

「浜田だよ、―――浜田と関と中村と、四人で今日やって来たんだ」

「まあ、そりゃ大分賑やかだわね、何処の宿屋に泊っているの?」