Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ちじんのあい
痴人の愛
谷崎 潤一郎
Lisez 痴人の愛 (ちじんのあい) de 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 179 399 caractères · 353 écrans
「もうその花はみんな萎んでしまったじゃないか、好い加減に捨てておしまい」
そう云っても彼女はなかなか承知しないで、
「大丈夫よ、水をやったら又直ぐ生きッ返るから、河合さんの机の上へ置いたらいいわ」
と、別れるときにその花束をいつも私にくれるのでした。
こうして方々捜し廻っても容易にいい家が見つからないで、散々迷い抜いた揚句、結局私たちが借りることになったのは、大森の駅から十二三町行ったところの省線電車の線路に近い、とある一軒の甚だお粗末な洋館でした。所謂「文化住宅」と云う奴、―――まだあの時分はそれがそんなに流行ってはいませんでしたが、近頃の言葉で云えばさしずめそう云ったものだったでしょう。勾配の急な、全体の高さの半分以上もあるかと思われる、赤いスレートで葺いた屋根。マッチの箱のように白い壁で包んだ外側。ところどころに切ってある長方形のガラス窓。そして正面のポーチの前に、庭と云うよりは寧ろちょっとした空地がある。と、先ずそんな風な恰好で、中に住むよりは絵に画いた方が面白そうな見つきでした。尤もそれはその筈なので、もとこの家は何とか云う絵かきが建てて、モデル女を細君にして二人で住んでいたのだそうです。