Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちじんのあい

痴人の愛

谷崎 潤一郎

Lisez 痴人の愛 (ちじんのあい) de 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 179 399 caractères · 353 écrans

Aozora Bunko

「ええ、そうだって云うんですよ。それを熊谷が得意そうに、のろけ交りにしゃべり散らすんで、僕は聞いていて不愉快でした」

「するとその晩は、二人で彼処へ泊ったんですね?」

「ところがそうじゃないんです。夕方までは其処にいたけれど、それから一緒に銀座を散歩して、尾張町の四つ角で別れたんだそうです」

「けれども、それはおかしいな。熊谷の奴、嘘をついているんじゃないかな、―――」

「いや、まあお聞きなさい、別れる時に熊谷が少し気の毒になったんで、『今夜は何処へ泊るんだい』ッてそう云うと、『泊る所なんか幾らもあるわよ。あたしこれから横浜へ行くわ』ッて、ちっともショゲてなんかいないで、そのままスタスタ新橋の方へ行くんだそうです。―――」

「横浜と云うのは、誰の所なんです?」

「そいつが奇妙なんですよ、いくらナオミさんが顔が広いッて、横浜なんかに泊る所はないだろうから、ああ云いながら多分大森へ帰ったんだろうと、そう熊谷が思っていると、明くる日の夕方電話が懸って、『エルドラドオで待っているから直ぐ来ないか』と云う訳なんです。それで行って見ると、ナオミさんが目の覚めるような夜会服を着て、孔雀の羽根の扇を持って、頸飾りだの腕環だのをギラギラさせて、西洋人だのいろんな男に囲まれながら、盛んにはしゃいでいるんだそうです」