Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちじんのあい

痴人の愛

谷崎 潤一郎

Lisez 痴人の愛 (ちじんのあい) de 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 179 399 caractères · 353 écrans

Aozora Bunko

肌の白さに至っては、いくら視詰めても全く生地の皮膚のようで、お白粉らしい痕がありません。それに白いのは顔ばかりでなく、肩から、腕から、指の先までがそうなのですから、もしお白粉を塗ったとすれば全身へ塗っていなければならない。で、この不可解なえたいの分らぬ妖しい少女、―――それはナオミであると云うよりも、ナオミの魂が何かの作用で、或る理想的な美しさを持つ幽霊になったのじゃないかしらん? と、私はそんな気さえしました。

「ねえ、いいでしょう、二階へ荷物を取りに行っても?―――」

と、ナオミの幽霊はそう云いました、が、その声を聞くと矢張いつものナオミであって、確かに幽霊ではありません。

「うん、それはいい、………それはいいが、………」

と、私は明かに慌てていたので、少し上ずった口調で云いました。

「………お前、どうして表の戸を開けたんだ?」

「どうしてッて、鍵で開けたわ」

「鍵はこの前、此処へ置いて行ったじゃないか」

「鍵なんかあたし、幾つもあるわよ、一つッきりじゃないことよ」

その時始めて、彼女の紅い唇が突然微笑を浮かべたかと思うと、媚びるような、嘲るような眼つきをしました。