Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ちじんのあい
痴人の愛
谷崎 潤一郎
Lisez 痴人の愛 (ちじんのあい) de 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 179 399 caractères · 353 écrans
「譲治さん、ハリソンさんは何と云った?―――」
と、ナオミはその晩尋ねましたが、彼女の口調はいかにも老嬢の寵を恃んで、すっかりたかを括っているように聞えました。
「よく出来るって云っていたけれど、西洋人には日本人の生徒の心理が分らないんだよ。発音が器用で、ただすらすら読めさえすりゃあいいと云うのは大間違いだ。お前はたしかに記憶力はいい、だから空で覚える事は上手だけれど、飜訳させると何一つとして意味が分っていないじゃないか。それじゃ鸚鵡と同じことだ。いくら習っても何の足しにもなりゃしないんだ」
私がナオミに叱言らしい叱言を云ったのはその時が始めてでした。私は彼女がハリソン嬢を味方にして、「それ見たことか」と云うように、得意の鼻を蠢めかしているのが癪に触ったばかりでなく、第一こんなで「偉い女」になれるかどうか、それを非常に心もとなく感じたのです。英語と云うものを別問題にして考えても、文典の規則を理解することが出来ないような頭では、全くこの先が案じられる。男の児が中学で幾何や代数を習うのは何の為めか、必ずしも実用に供するのが主眼でなく、頭脳の働きを緻密にし、練磨するのが目的ではないか。