Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちじんのあい

痴人の愛

谷崎 潤一郎

Lisez 痴人の愛 (ちじんのあい) de 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 179 399 caractères · 353 écrans

Aozora Bunko

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「諸君」と、歴史の教師はその時私たちに云いました。

「このアントニーと云う男は女の尻を追っ駆け廻して、命をおとしてしまったので、歴史の上にこのくらい馬鹿を曝した人間はなく、実にどうも、古今無類の物笑いの種であります。英雄豪傑もいやはやこうなってしまっては、………」

その云い方が可笑しかったので、学生たちは教師の顔を眺めながら一度にどっと笑ったものです。そして私も、笑った仲間の一人であったことは云うまでもありません。

が、大切なのはここの処です。私は当時、アントニーともあろう者がどうしてそんな薄情な女に迷ったのか、不思議でなりませんでした。いや、アントニーばかりではない、すぐその前にもジュリアス・シーザーの如き英傑が、クレオパトラに引っかかって器量を下げている。そう云う例はまだその外にいくらでもある。徳川時代のお家騒動や、一国の治乱興廃の跡を尋ねると、必ず蔭に物凄い妖婦の手管がないことはない。ではその手管と云うものは、一旦それに引っかかれば誰でもコロリと欺されるほど、非常に陰険に、巧妙に仕組まれているかと云うのに、どうもそうではないような気がする。