Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はくもくれん
白木蓮
豊島 与志雄
Lisez 白木蓮 (はくもくれん) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 12 039 caractères · 24 écrans
身寄りの者だという中年の女が出て来て、言葉少なに挨拶をした機会に、私は席を立った。玄関に訪れて来た数人のわきを、私はすりぬけて、表に出た。喜美子はあとに居残ったらしい。
そして加津美の二階の室で、私は桃代の死をはっきり感じ、同時に、彼女の姿をまざまざと思い浮べた。私にとっては、彼女はそこにしか存在しないのだ。――そうだ、ほかの何処にも彼女はいない。その室にだけ、つまりお座敷にだけ、彼女はいるのだ。
その彼女は、いつも髪をきれいに結っている。どんなに乱酔してもその髪を乱さない。顔から肩にかけて、いつも白粉がぬられていて、決して素肌を見せない。水で洗ってもそれは落ちないだろう。眉が太く、眼が近視らしく、大まかな顔立だが、なにか巧妙な糸で操るような微妙な表情をしながらも、決して相好を崩すということがない。大きく衣紋をぬいた着附だが、襟元はきっちり合さって、帯は常に寸分の狂いもない位置に定着している。上半身は反り加減に、胸も背も板ででも出来てるようで、腰だけでしか屈伸しない。ぴたりと端坐する膝は、蝶番のようで、横坐りには片手を畳につかなければならない。その全体が、いつも香水の仄かな匂いをつけ、それが肌身にまでしみこんで、体臭というものがない。