Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しらぎく
白菊
夢野 久作
Lisez 白菊 (しらぎく) de 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 12 486 caractères · 25 écrans
幾度も幾度も眼を擦った。何故ともなく胸の躍るのを感じながら、左右に白々と横たわっている闇夜の街道を見まわした。自分で自分に云い聞かせるようにつぶやいた。
「……まさか……俺を威かすつもりじゃあんめえが……ハアテナ……」
虎蔵はやがて両腕を組んだまま、その光りに吸い寄せられるようにスタスタと歩き出していた。深夜の草山を押し分けて、一直線に赤い光りの方向へ近付いて行くと、そのうちに虎蔵の眼の前の闇の中に、要塞のように仄黄色い、西洋館造りの大邸宅が浮かみ現われて来た。
赤い光りは、その大邸宅の右の端にタッタ一つ建っている、屋根の尖んがった、奇妙な恰好の二階の窓から洩れて来るのであった。そのほかに燈光の洩れている部屋は一つもないらしく、さしもの大邸宅が隅から隅まで死んだように寝静まっている事が、間もなく彼の第六感にシミジミと感じられて来た。
虎蔵はモウ一度、前後左右を見まわした。
「……フフン……コイツは案外、大仕事かも知れんぞ……」
とつぶやきながら微かに胸を躍らした。本能的に用心深い足取りで、高い混凝土塀を半まわりして、裏手の突角の処まで来た。そうして矢張り本能的に懐中のマキリを鞘から抜き出して、歯の間にガッチリと啣えた。