Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しろあり

白蟻

小栗 虫太郎

Lisez 白蟻 (しろあり) de 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 54 099 caractères · 106 écrans

Aozora Bunko

そして、四肢のどこにも、その部分だけがいやに銅光りをしていて、妙に汚いながらも触りたくなるような、襞や段だらに覆われていた。のみならず、この奇怪な変形児は、まったくの唖であるばかりか、知能の点でも、母の識別がつかないというのだから、おそらくは生物としては、この上もなく下等な存在であろう。事実稚市には、わずかに見、喰うだけの、意識しか与えられていなかったのである。

したがって稚市が、この世で始めの呼吸を吐くと、その息吹と同時に、一家の心臓が掴み上げられてしまったのだ。云うまでもなく、その原因は四肢の変形にあって、しかも形は、疑うべくもない癩潰瘍だった。現に仏医ショアベーの名著『暖国の疾病』を操ってみれば判るとおりで、それにある奇形癩の標本を、いちいち稚市と対照してゆけば、やがて幾つか、符合したものが見出されるに相違ない。おまけに、両脚がガニ股のまま強直していて、この変形児は、てっきり置燈籠(変形児の図)とでも云えば、似つかわしげな形で這い歩いているのだった。だが、そうなると稚市の誕生には、またちょっと、因果噺めいた臆測がされてきて、あるいは、根もない恐怖に虐げられていた、信徒達の酬いではあるまいかとも考えられてくる。