Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ひゃくゆきょう
百喩経
岡本 かの子
Lisez 百喩経 (ひゃくゆきょう) de 岡本 かの子 (おかもとかのこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 474 caractères · 21 écrans
あの子と二人で水の蚊帳
ささやれ
涼しい
涼しい
するとみんなも声を揃えて、涼しい、涼しいと合せるのだった。そして唄う面白さを引出して呉れた彼に感謝の拍手をみんなが送る。と、彼は一応うれしそうな顔はするがその後でぽかんとひとり言のようにまたいうのだった。
「ほんとうの案内者は殺されてから案内する」
みんなは追々彼のこの言葉に何か神秘めくもののあるのに気を付け出した。
×××を出発してから十何日目かの午後だった。行手の蒼空の裾が一点つねられて手垢の痕がついたかと思う間もなくたちまちそれが拡がって、何百里の幅は黄黒い闇になってその中に数え切れぬほどの竜巻きが銀色の髭を振り廻した。頬に痛い熱砂。駱駝は意気地なく屈んで仕舞った。
さあ、誰か一人殺さねばならない。隊商の中のみんなが一度にそう思った。そして無気味な顔を見合せた。沙漠のなかで大風に遇うのは天神の怒に触れたものとして隊商のうちの一人を犠牲にして災難を免れるよう祷らねばならない。このことは誰も知って居た。
隊商はみな同族だった。お互いがお互いの妻や子を見知って居るような間柄だった。人情として誰一人にも手を加えられなかった。