Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ひゃくあしちがい

百足ちがい

山本 周五郎

Lisez 百足ちがい (ひゃくあしちがい) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 28 491 caractères · 56 écrans

Aozora Bunko

身内のむず痒いような気持で彼はこう呟いた。

簡野は今でも城代家老をしているが、訪ねてゆくと左馬之助はすでに分家して、桶屋町に住んでいるということだった。そこでそっちへいってみたが、そこは名の示すとおり職人町のごみごみした一画で、ひと口に云うと貧民窟のようなところであり、左馬之助の住居はその裏店の、ひん曲ったような長屋の端にあった。……又四郎はちょっと躊躇いを感じたが、思いきって案内を乞うと、妖婆のような女が顔を出して、

「なんの用だい、掛取りなら銭なんかないよ、出なおしといで、ちぇっ、不景気な」

いきなりこう喚いた。又四郎はここで自制心と克己力を活動させ、姓名や身分を告げたうえ、ようやく女の許しを得て家へあがった。

左馬之助は寝ていた。枯木のように痩せ、蒼黒い顔をして、綿のはみ出た薄い蒲団にくるまって、はっはと苦しそうに喘いでいた。彼は又四郎を見ると黄色い歯をみせ、ひどくしゃがれた声でこう云った。

「ああおまえ、……秋成か、来て呉れたんだね、ああ、済まない、……おれの親友、心の底からの友達、おれは泣けるよ、……うれしい、これだよ」

左馬之助は骨だらけのような手で合掌した。