Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ひゃくあしちがい
百足ちがい
山本 周五郎
Lisez 百足ちがい (ひゃくあしちがい) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 28 491 caractères · 56 écrans
「はあ実は」又四郎は眼を俯せた、「――実はですね、あの方と、お二人きりで、その、折入ったお話が、その、したいのですが」
「ああいいとも、いいですとも、折入った話結構です、すぐ呼ばせましょう」こういいながら加久平は立った、「――あれも困った女で、困ったといってはなんだが、あれは哀れな、可哀そうな女なんで、まだ独身なんで、ひとつ、……いやすぐ此処へ来させます」
加久平が出てゆくと、又四郎はかなり傷心の態でじっと俯向いた、「まだ独身なんで――」といった、あれから十年ちかく、約束を守っておかねは独身をとおしていて呉れた、あのときの約束を守っておかねは独身をとおしていて呉れた、あのときの約束を守って、この又四郎のために。
「――あのときみつ枝の話を断わっていいことをした」
又四郎は敬虔に、そっとこう呟いたのである。
彼の精神としては、そのとき正しく敬虔であった。おかねのまごころに対し、その変らざる誓いに対し、そのひと筋な純情に対し、心から低頭する気持であった。……純情の主はまもなく現われた。かなり時間を要したのは化粧をして着替えをしたものらしい。美しいはでな、模様というか柄というか、眼のさめるような色合の着付けで、白粉を濃く塗り、口紅をさしていた。