Classiques japonais avec furigana
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まゆのき
眉の記
上村 松園
Lisez 眉の記 (まゆのき) de 上村 松園 (うえむらしょうえん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 2 474 caractères · 5 écrans
同時に以前よんだ泉鏡花の「外科医」という小説を思い出したのである。
ながねん想いこがれていた若い国手に麻酔剤なしで意地の手術をうけたかの貴婦人も、手術をうけながら苦痛をこらえ、いささかの苦痛もないかのように装うてはいたものの、美しい双の眉だけはおそらく千言万句の言葉を現わし、その美しい眉は死以上の苦しみをみせていたことであろうと思った。
美人画を描く上でも、いちばんむつかしいのはこの眉であろう。
口元や鼻目、ことに眉となるとすこしでも描きそこなうと、とんだことになるものである。
しりさがりの感じをあたえると、その人物はだらしのないものになってしまうし、流線の末が上にのぼればさむらいのようになって折角の美人も台なしである。
細すぎてもならず、毛虫のように太くてもならず、わずか筆の毛一本の線の多い少ないで、その顔全体に影響をあたえることはしばしば経験するところである。
眉が仕上げのうえにもっとも注意を払う部のひとつであるゆえんである。
眉も女性の髪や帯と同様にそのひとの階級を現わすものである。
王朝時代は王朝時代でちゃんと眉に階級をみせていた。眉のひきかた剃りかたにも、おのずとそのひとひとの身分が現われてい、同時にそれぞれ奥ゆかしい眉を示していたものである。