Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
さきゅう
砂丘
宮本 百合子
Lisez 砂丘 (さきゅう) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 3 141 caractères · 7 écrans
こんなかわいそうなむほんぎは心の片すみに起った、そして私はその時の女のこまったらしい顔や、口の中で云うブツブツ口こごとを思って思わず高声に心の底をゆすり出したように笑った。その声におどろいて女はくるりと向いて、今更らしくつくろうた声で、
「マア、一寸も私しゃ知らなかった、いついらっしゃったんです?」
「たった今、きたばかりで何故だか私は吹き出してしまった」
私は長い間立ちどまっていろいろな事を思った様子ははりでついたほども見せなかった、私は見せても見えないような彼の女だからだ。
「よっぽどまったんかい」
「ナニ、ほんの一寸、だけど、またれる身よりも待つ身の何とかってね……」
女は洋傘の甲斐絹のきれをよこに人指し指と、中指でシュシュとしごきながらふるいしれきったつまらないことを云った。
それで自分では出来したつもりで、かるいほほ笑みをのぼせて居る。
私はまるで試験官のようなひやっこいはっきりした心地で女の心を見とおすように傍にひかえてひややかに笑って居る。
「よく来られたネー、私は大抵だめだろうと思ってたんだが」
「ずいぶん工夫してネ、それでもやっと、夜までは……かまわないんですよ」