Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さとうどろぼう

砂糖泥棒

黒島 伝治

Lisez 砂糖泥棒 (さとうどろぼう) de 黒島 伝治 (くろしまでんじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 4 108 caractères · 9 écrans

Aozora Bunko

彼の足音をきゝつけると、二人は、

「お父う。」と、両手を差し出しながら早速、上り框にとんで来た。

「お父う、甘いん。」弟の方は、あぶない足どりでやって来ながら、与助の膝にさばりついた。

「そら、そら、やるぞ。」

彼が少しばかりの砂糖を新聞紙の切れに包んで分けてやると、姉と弟とは喜んで座敷の中をとび/\した。

「せつよ、お父うに砂糖を貰うた云うて、よそへ行て喋るんじゃないぞ!」

妻は、とびまわる子供にきつい顔をして見せた。

「うん。」

「啓は、お父うのとこへ来い。」

座敷へ上ると与助は、弟の方を膝に抱いた。啓一は彼の膝に腰かけて、包んだ紙を拡げては、小さい舌をペロリと出してザラメをなめた。

子供は砂糖を一番喜んだ。包んで呉れたのが無くなると、再び父親にせびった。しかし、母親は、子供に堪能するだけ甘いものを与えなかった。彼女は、脇から来て、さっと夫から砂糖の包を引ったくった。

「もうこれでえいぞ。」彼女は、子供が拡げて持っている新聞紙へほんの一寸ずつ入れてやった。「あとはまたお節句に団子をこしらえてやるせに、それにつけて食うんじゃ。」

子供は、毎日、なにかをほしがった。