Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かみだな

神棚

豊島 与志雄

Lisez 神棚 (かみだな) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 21 427 caractères · 44 écrans

Aozora Bunko

その上彼女は、一寸昔の可愛さを思い出させるような、上唇を脹らませる薄ら笑いを浮べていたので、俺も曖昧な笑顔をしてやった。けれど彼女の言葉を、池部は聞きとがめていた。

「何だい、その調えるとか調えないとかいうのは……。まさか、柄にもねえ仲人口を利いてるっていうんでもあるまいし……。」

「なあに、実は金の工面さ。」

「ああなるほど。」そして彼は如何にも腑に落ちたという顔付をした。「実は俺も少しいるんで心当りを探ってみたんだが、世間は不景気だね。」

「全くだ、世間は不景気だ。」

そして俺達は笑い出してしまった。この場合、世間は不景気だということが、すっかり気に入って嬉しくなったのだった。

酒の燗が出来て、※が裂かれて、杯を重ねてるうちに、池部は俄に改った調子で尋ねかけてきた。

「時に君の職の方はどうなったい?」

「ああどうにか、深田印刷の方にきまったんだがね、年内はもういくらもねえし、正月は初めのうち休みだてえんで、正月の十五日頃から出てくれと云うんだ。貯金があるじゃあなし、それまでの無駄食いに弱ってるんだ。」

「なあに、そいつあ先が安全だからいいじゃねえか。俺なんか、歳暮の臨時雇だから、お先真暗で、心細いったらねえよ。