Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんぴこんちゅうかん

神秘昆虫館

国枝 史郎

Lisez 神秘昆虫館 (しんぴこんちゅうかん) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 105 803 caractères · 213 écrans

Aozora Bunko

「で、どっちに惚れているのだ?」

「どっちがお強うございましょう?」

「ふふん、それでは強い方へ、お前はなびくというのだな?」

「そんな見当でございます」小篠は妖艶にニッコリとした。

「そうか」

と云うと一式小一郎は、ズイとばかりに立ち上がった。「小篠、それではまた会おう」

「もうお帰りでございますか」

「うん」

と云うと部屋を出た。

ここは深川の、桔梗茶屋の、その奥まった一室である。一人になった阪東小篠は、心の中で呟いた。

「南部さんにも云ったものさ。人一人お切りなさいましと。……妾のためにお侍さんが、罪もない人間を叩っ切る! ああどんなにいいだろう! そこまで妾に惚れてくれなければ妾の方だって惚れてはやらない。お二人の中でサアどっちが、希望を叶えてくれるかしら? いい見物だよ、待っていよう」

桔梗茶屋を出た小一郎は、考えながら歩いて行く。

「小篠という女、俺は好きだ。美しい上に惨酷性がある。完全な女というものさ。惨酷性のない女なんか、女ではなくて雌だからなあ。……それにしても随分手強い女だ。俺は半年も呼びつづけたかしら? それで未だにうんと云わない。……その上とうとう本性を現わし、人を切れなどと云い出してしまった。