Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんぴこんちゅうかん

神秘昆虫館

国枝 史郎

Lisez 神秘昆虫館 (しんぴこんちゅうかん) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 105 803 caractères · 213 écrans

Aozora Bunko

一足引けば転落だ。

またも女の声がした。「お放しなさりませ、永生の蝶を」

「うむ」と呻いた小一郎は、グッと懐中へ手を入れたが、その手を抜くと空高く、投げた! 何かを! 黒々と!

蝶だ! クルクルと月光を縫い、舞い去ろうとする! 舞い去ろうとする! とたんに女が進み出た。ポンと投げたは袋様の物で、ベッタリ地上へへたばると、何んと生あるもののように、ムクムクと背中を持ち上げたではないか。続いて開いたは大きな口だ。と、そこからスラスラと、一筋の白布が濛気のように、空に向かって巻き上がったが、飛び去る蝶を追っかけた。

何んという卑怯だ、その一刹那に、南部集五郎は声も掛けず、翻然と小一郎へ躍りかかった。

「こやつ!」と叫んで小一郎は、キワドク受けは受けたものの、足を辷らせザンブリと南無三! 南無三! 大川へ落ちた。

シ――ンと岸上静かである。南部の一味立ち去ったらしい。

もがいているのは小一郎で、今や溺れようとしているのであった。小一郎は水練には達していた。しかし全身疲労れていた。転落する時腕を挫いた。で、泳ぐことが出来ないのである。

「無念、死ぬのだ、もう駄目だ!」